事件被害者の心の救済

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親鸞会同窓会サークル
ルボアール

親鸞学徒の弁護士たち

  1. 「親鸞学徒ならできる」被害者の心の救済

  2. 心にしみた「佐渡オケサ」 暴力団幹部の改心

  3. 「生きる価値があるんや」

  4. 敏腕女性弁護士の奮戦

  5. 「先生にだけ話します」孤独な被告人心開く

  6. 「ヤミ金地獄」から救出ITの推進に挑む

  7. 元暴力団員 塀の中から感謝の手紙

親鸞会ルボアールとは

Revoir(ルボアール)とは仏語で「再会」の意。ここは学生時代に、共に親鸞会で仏法を学び、卒業して社会人として活躍する親鸞会会員の、現場の声を集めたものです。

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事件被害者の心の救済

第1回 「親鸞学徒ならできる」 事件被害者の心の救済

「弁護士が、心のケアまでできるか!」
会場に怒声が飛んだ。

最近開かれた、ある弁護士会総会。テーマは「犯罪被害者の支援」だった。副会長の宮中和典弁護士(仮名)が心のケアの必要性を訴えたところ、ベテラン弁護士を中心に、「仕事の枠外や」「話がずれとる」など反発の声が相次いだ。

「意外な反応でした。弁護士こそ、生きる力を失った被害者の力になることが求められているのに」と振り返る宮中弁護士はその時、ある女性の依頼人のことを思い出したという。

相手方の弁護士の執拗な質問に答えていたその女性は、休廷で廊下に出た途端、胸を押さえ倒れ込んでしまった。すぐに救急車で運ばれ、宮中弁護士も付き添った。

女性はあるメーカーの代理店を営んでいた良子さん(50)=仮名=。宮中弁護士の事務所を訪れたのは一昨年の秋だった。

良子さんの指導で代理店業を始めた後輩の女性が、仕入代金を会社側に納めなかったため、損害賠償請求訴訟を起こされていた。この女性とのかかわりから、良子さんも会社から、数百万円の未納分の支払いを求められかねない状況になっていた。

良子さんは、「社長は夜中でも、未払い金の件で呼び出すのです。その声を聞くだけで頭痛がする。もう心はズタズタです」と訴えてきた。裁判所で倒れたのも、こうした心労が重なったためだ。

だが宮中弁護士が代理人となったことで、裁判は有利に進み、良子さんは少しずつ明るさを取り戻してきた。

そんなある日、良子さんは、「先生、仏教について、詳しいんですか」と聞いてきた。事務所に、仏教の書籍などが置かれていたからだ。

早くに両親と死別していた良子さんは、よく寺へ行ったが、「仏語の意味は分からなかった」と話した。書籍を手渡すと喜んで持ち帰った。

「歩く時、走る時、飛行機が飛ぶ時、一番大事なのは目的地。人生も同じ」などの言葉に良子さんはうなずき、「そうか、そうか」「なるほど」と、何度もつぶやいていた。

「事件を縁に、光に向かう人は少なくない」と宮中弁護士は言う。500万円を貸した友人に裏切られ、トラブルに巻き込まれていたMさんは、親鸞聖人の話を聞くようになった。

放漫経営の会社に損害賠償を請求しようとした株主のKさんは、家族の法事の話をした時、宮中弁護士が「白骨の章」を暗唱するのを聞いて感激した。

ここ数年、市民団体や警察などによる被害者支援の動きが広がっている。だがそれは、金銭的援助や情報提供、悩みを聞くといったレベルの支援にとどまっている。冒頭の弁護士会も、「被害者支援委員会」は設置したものの、具体的な取り組みは手つかずのままという。

「法的支援から信頼関係が生まれると、『苦しくとも生きねばならない目的がある』と話しやすくなります。生きる力を与える真の被害者支援ができるのは親鸞学徒だけなのです」と宮中弁護士は語る。

良子さんは、裁判が終わって間もなく結婚した。今も時々、取れたての野菜を持って法律事務所を訪れている。

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